STORES

以下のSTORESで作品の販売をしています。
嬉しいことに多くの写真をお買い上げいただいています。

https://kanomitsuru.stores.jp/

STORESの説明文を書いたので、ここにも載せておこうと思います。

もうずいぶん前のこと、初めて私の作品と呼べる写真が雑誌に掲載されたときの説明として、人とすれ違ったあとの残り香は写真に写るだろうか、と書きました。その人そのものが写っていなくても、先ほどまでそこにいた、その存在感は写るだろうか、という思いを書き綴ったのです。今なら、写真には表面しか写らないと簡単に答えるでしょう。そしてあの時の赤面するような情熱だけの文章を、若気の至りと片付けるのは簡単です。
あれから、たくさんの旅をしました。不思議なことに、なんでもない街角であっても惹きつけられて立ち止まってしまうことがあるかと思えば、誰が見ても美しい風景にもかかわらず、カメラを構えることなく通り過ぎてしまうことがあります。そして今でも何故そうさせるのかという理由が分からないのです。もしかするとあの最初の感覚を、言葉にできぬままに抱き続けているのかもしれないと気付いたのは、つい先日のことでした。
このストアに出品する写真は、その時その場所に立ち止まり、シャッターを押した結果であることは明らかです。写真は、というよりも良い写真は、手元を離れて誰かの所有になった時、一人歩きを始めます。未だ自分では完結しない思いを持つ写真が、私からは見えない何処かで、新しい物語を紡いでくれれば、これほど嬉しいことはありません。

Nulla riposa della vita come la vita.

PaperPool 5周年の記念展示販売用プリントが出来上がりました。雨上がりのトリエステ、人がひとりもいなくなったイタリア統一広場の風景です。トリエステの詩人、ウンベルト・サバの詩を須賀敦子が訳した一節「人生ほど、生きる疲れを癒してくれるものは、ない」の原文を一昔前のインレタで入れました。額縁は1960年以前と思われるライツ、フォコマート用のイーゼルです。いつもと違って今回はイーゼルに合わせたサイズのプリントになっています。イーゼルに入れたこの状態で販売するので一点のみ。ガラスもないので汚れた場合は布巾などで拭きながら、自然な経年を楽しんで欲しいと思います。太陽光を避けてもらえれば、それほど劣化するものではありません。展示は3月31日からの約二週間。詳しい情報はホームページで。ぜひお越しください。

場所 PAPER POOL
            
153-0052
   東京都目黒区祐天寺2-6-10 たちばなビル 2F
            TEL:03-3713-2378

FOCOLOY

Focomat + Valoy = FOCOLOY

FOCOLOYと名付けた理想の引伸機が完成しました。

Leica-umbau


信頼する修理士のKさんが手持ちのバルナックについて解説してくれました。
ストーリーが分かると愛着が増しますね。以下、Kさんの記事から引用。

画像のブラックペイントのバルナックライカは、2万番台、シリアルナンバーからA型だった物を改造した個体と推測されます。
シンクロナンバー付きでスローシャッターダイヤルは省略のIIf相当への改造。
ブラックペイント上に映える文字は全て象嵌ではなく白いペイントで「Leica DBP」と刻印されたカバーが使われていることから1950年代に改造された個体でしょう。
カメラ店で商品説明をするならばここまでの事を伝える事ができれば詳し過ぎるくらいですが、分解していくとより詳細に、さらに少々奇妙な事がわかってきました。
A型やC型、Standard等、距離計非搭載のモデルに距離計取り付けの改造を行う場合、ファインダーやアクシューを取り去った部分に穴を開けて距離計を取り付け、距離計カバーで覆います。
距離計カバーで隠れる部分には元のモデルの塗装が残されたままとなります。
今回の個体に関しては、巻き戻しレバーのA→R表示が象嵌ではなくペイントだという点が気になり分解前から予測はしていたのですが、距離計カバーを外したところ予想通りカバーを外したベース部分に塗料は載っていませんでした。
つまりはじめから距離計カバーを付けるつもりで作られたベースであり、距離計を持たないA型用のベースではない事がわかります。
当然塗装だけでなくシリアルナンバーもありませんでした。
巻き戻し表示が象嵌でなくペイントである事から、少なくともIIIc以降に作られた部品で、おそらく距離計カバーと合わせて1950年代に同時にこの個体に搭載されたと思われます。
スローシャッターは省かれている個体ですが、ベース部分にはスローシャッター搭載時に部品を通す穴が開けられており、穴の断面にも塗料が載っている事からはじめからスローシャッターの搭載を想定して加工し塗装された部品である事もわかります。
距離計を取り付けるだけであればベース部分は元のモデルの物を流用すれば済むはずですが、何故交換したのでしょう。
ベース部分を取り外すにはオーバーホールする際にも外す必要の無い細かい部品まで外す事になりかなり手間がかかります。
距離計カバーの文字がペイントなのでベース部分の文字もペイントに変える事で揃えたかったと考えられなくは無いのですが、それだけの為にはあまりに手間がかかりますし象嵌とペイントが混在した改造品も見かけるのでこの説の可能性はかなり低いと思われます。
以上の事から距離計非搭載モデルに「足していく」改造をした個体と考えるには無理があると判断しました。
逆に「引いていく」方で考えてみます。
今回の個体が改造された時期は既にIIIfが発売されておりIIIgの足音も聴こえてくるような頃と思われます。
単純にIIIfからスローシャッターを取り除けばほぼIIfになるのですから、IIIfをベースに改造された個体である可能性を考えました。
参考までに、IIfから更に距離計を取り除いたIfを分解してみると無効化されたスローガバナーが潜んでいました。
このようにデチューンされたIIIfが元になっている個体である可能性です。
IIIfがベースとなると最早、元のA型の痕跡は何もありませんがライツとしては帳簿上にA型からIIf相当に変わった旨を載せておけば良いのですから、改造代金と引き換えに預かったA型と同じシリアルナンバーを打刻した別個体に代替えした可能性は充分考えられます。
しかし基本に立ち返るとこの説にも矛盾がある事がすぐにわかりました。
距離計カバーとベースが別れる物はIIIb以前の板金モデルで既にダイキャストモデルとなっているIIIfは距離計部を含む上カバーとして丸ごと外れます。
(板金モデルであるかダイキャストモデルであるかを一番簡単に見分ける方法はマウントの両脇にエプロンがあるか無いかです。
丁度ライカM3とそれ以降のM型も同じような見た目の違いがありますが、M型は全てダイキャストです)
つまり今回の個体は板金モデルでありIIIfをベースにデチューンした物でもない事がわかります。
他にもIIIfとの差異があり、
・フィルムインジケーターが無い
・巻き上げの逆転防止の方法が爪による噛合クラッチではなくスプリングクラッチ
・Ifのように無効化されたスローガバナーが入っていない
・巻き上げ軸のラピッド噛合部がライカビット用ではなくライカピストル用
・IIIa以前のように距離計ファインダーと画角ファインダーの接眼部が離れている
やはり板金ライカを不必要なベース交換まで含めた大変な手間をかけた改造品なのではないかと前述の説に戻されてしまいました。
それでは2つの説を合わせて考えてみます。
改造ではなく代替えはしたが、交換された個体は板金ベースで作られた物であるという考えです。
今回の個体はIIIf、IIIgの時代に生まれた新DIIのような存在で率直に言って非常に中途半端なモデルなのですが、同じようなモデルが結構出回っているのである時期にライツが作り置きをしていたのではないかと想像しています。
スローシャッターは希望すれば後から追加工する事が可能ですが、ダイキャストではない時点で当時主流であったボールベアリングを用いたIIIfのような滑らかな巻き上げへの変更は不可能です。
また、ライカビットの取り付けもできません。
(ピストルは可)
それらの条件を了承できるのならば格安で代替えできる、等の提案があったのかもしれません。
今で言えばスマートフォンの機種変更のようなニュアンスでしょうか。
板金モデルの多くは丁度スローダイヤルの真下部分のボディシェルを外した位置に手罫書きのシリアルナンバーが彫られていることが多いのですが、この個体にはありませんでした。
またフィルム開口部の板材にはどのパターンの改造が来ても対応出来るように予め色々なパターンのネジ穴を開けてありました。
件のベース部には無数の穴が開いていますが、よく見ると穴の断面に、塗料が載っている穴と載っていない穴があります。
塗料が載っていない部分は塗装後に加工された事を意味します。
今回の個体は板金モデルにも関わらず距離計カバーにシンクロ端子とシンクロナンバーが搭載されています。
端子搭載のスペースを確保する為にカバーの一部が高くなっており、アクシューがカバーから飛び出します。
このアクシューを載せる台座を裏から止めている部分が後加工により塗料が剥がれ、真鍮が剥き出しになっているネジ穴です。
元々はこの台座を使うことを想定していなかった節が伺えます。
板金モデルで文字が象嵌ではなくペイントのモデルとなると一般的にはDIIIのクローム、IIIa、IIIb(IIIaとIIIbのブラックはまず見かける事はないですが)でクローム地なので黒文字が入れられています。
もしかしたらこれら3機種のブラックペイントを施したデッドストックのカバーにシンクロ搭載用のアクシュー台座を取り付ける加工をして、板金の部品も既にダイキャストの時代に入っている中で在庫一掃、使い切るつもりで組み上げたシリーズだったのかもしれません。
シンクロ対応の距離計カバーですが、シンクロ端子やシンクロナンバーが無いものの、後加工で取り付けられる余地を残したカバーを持つ個体も存在します。
おそらく50年代には既にシンクロ改造非対応のカバーは払底していて、シンクロ機能を必要としない改造依頼でもシンクロ後加工可能なカバーへの交換となったのではないかと推測します。
ボディシェルも同様でスローダイヤルを取り付ける余地を持つものだけになっていたと思われます。
シンクロ対応距離計カバーの特徴として、シャッタースピードダイヤルの周辺に見慣れないネジが一本入っています。
これはおそらく距離計カバーが別体になっている板金ベースのものは、衝撃を受けたりカメラバックの中で圧されたりすると距離計カバーが僅かに歪み、シンクロの接点がショートしてしまう可能性があるので強度を増すためにこの位置にネジ止めを設けていると思われます。
ダイキャスト用のカバーは一体化しているので強度的に充分で、IIIcからの改造品でシンクロナンバーが追加工された個体も見かけますがIIIcはダイキャストモデルの一体型カバーなのでシャッタースピードダイヤル周りのネジはあくまでシンクロナンバーが記載された板を取り付けているに過ぎず、ネジ止めの意味合いが異なります。
ちなみに今回の個体はIIf相当と呼称しましたが1/1000があります。
シャッタースピードダイヤルには「20-1」とスロー域があるはずの表記があります。
これはおそらくIIIfのダイヤルにはスローがあり、スローの無いIIf、Ifのダイヤルでは今度は1/1000が無いので仕方なくIIIf用のダイヤルを使ったものと思われます。
シャッターブレーキも付いています。
ほとんどが憶測ですが、作り置きへの代替えという説は現状考えられる一番自然な説ではないかと思っています。
当時のライツ社の状況、戦争を挟んだバルナックライカ、そしてユーザーからの要望に細かく応えていた事がリスト外の様々なモデルを生み出し、その混沌とした様相にバルナックライカの大きな魅力を感じています。

下にこれもKさんから。ライカが純正改造を受け付けていた広告です。

Valoyで大全紙を

揺れ動く日々です。コロナ禍での緊急事態宣言による撮影場所の限定、遠くから聞こえるようなカメラ業界の新製品情報、同年代写真家のYouTube等での活動、写真・カメラ雑誌の未来等々。考えさせられることには事欠きませんが、考えたところで自分一人の処理能力には限界があり、何かを前進させる力があるわけでもありません。自分なりの「受け持ち」を意識して写真と関わっていけたらと思っているこの頃です。

巷では5千万画素とか1億画素の話題が普通になってきましたが、アナログ写真でどれほどの高精細高解像なプリントを得られるかという課題に、最後のチャンスとして取り組んでみたいと思っています。
35ミリフイルムから大全紙のプリントを焼くには体力的に、また現実的な感材の確保という点からも先が読めなくなって来て「やるなら今」という思いが強くそれが最後のチャンスという気持ちになっています。
そのための機材として勝手にFOCOLOYと名付けた伸ばし機を作ろうとしています。自分がこだわったライツの伸ばし機、FOCOMATとVALOYは素晴らしい機械であると同時に、いくつかの問題点も抱えています。その最たるものは水平垂直平行という各部分のアライメントを調整する機能が皆無であることです。それを持った自分の理想とする伸ばし機でプリント出来る時を夢見ながら日々材料屋さん、加工屋さんと交渉しています。
写真にあるのがその伸ばし機、通称 #FOCOLOY です。たまたまジャンク間近のFOCOMAT2cとVALOY2が手元にあったので、合体させて見ようと思いました。今のところ、健全な製品を破壊しない、予算を掛けないという課題はクリアしていますが、まだまだヘッドのLED化、アライメント用金具の製作、大全紙用イーゼルが乗る大台板の制作など課題が残っています。

カメラ機材の存在自体が人々の生活からはニッチな存在になりつつあるような昨今ですが、その中でもさらにニッチなところを「受け持ち」と思ってしばらくやってみようかと思います。

da dietro 「後ろ姿の写真展」

祐天寺 PaperPool にて。

東京都目黒区祐天寺2−16−10 たちばなビル2階
TEL : 03-3713-2378

混雑防止のため、電話での予約が確実です。
飲食店ですので何か御注文していただけると嬉しいです。

■営業時間
(会期前半)

10月28日(水)18~22時
10月29日(木)18~22時
10月30日(金)18~22時
10月31 日(土)15~22時
11月1日(日)12~17時

(会期後半)

11月4日(水)18~22時
10月5日(木)18~22時
10月6日(金)18~22時
10月7日(土)15~22時
11月8日(日)12~17時

写真は販売します。50.000円〜80.000円 お問い合わせください。

FILM CAMERA STYLE vol.6

フイルムカメラスタイルの6号が発売になりました。本の中程に10ページ、写真を載せていただきました。シチリア島の西部、パレルモ 、シャッカ、マルサラ、トラパニを廻る旅。21ミリのF1.4というフォクトレンダーの新レンズを使い、モノクロフィルム(Rollai RPX400)による撮影です。ILFORDのバライタ、クールトーンに焼いたプリントから印刷されています。ぜひご覧ください。

渡部さとるさんのYouTube

同い年の写真家であり写真の指導者、近頃はYouTuberでもある渡部さとるさんの取材を受けました。前日から眼が充血して涙を流しながらのお見苦しい対談ですが、楽しんでいただければ嬉しいです。チャンネル登録していただければ渡部さんが喜びます。

第一回 写真の話

第二回 カメラの話

aroma di sicilia

祐天寺Paper Pool でのValoy展を再現してみました。しかしAristaの特殊な印画紙を使ったプリントの質感までは、どうしても出せません。

「ロバート・フランクを送る、最後の面会」

清里フォトアートミュージアムでこの夏三ヶ月にわたって開かれていたロバート・フランク展。
「まだ車に乗れるよ」と誘ってくれた友人N氏に連れられ、その最終日に行けることになった。
実は、つい先日まで、もう見なくていいんじゃないかと思っていた。散々見たつもりだったし、その度に十分打ちのめされた。これからは自分の写真とだけ関わっていきたいという思いが強かった。
9月10日、家族だった愛犬ジーノの一周忌で思い出に耽っていたとき、前日の9日にロバート・フランクが亡くなったというNYタイムズの記事が目に止まった。「会えるときに会ったほうがいいよ」 とジーノが言ってる気がした。

中央道を走る間、次々と架かる虹に先導されて、静まりかえった朝の美術館に着いた。二組目だった。展示が開くまで中庭を見ていたら、何台かの車が到着して駐車場が埋まりはじめていた。
大規模な写真展は緊張する。あまりにも感情が揺さぶられ、その結果、受け入れる限界を超えて、気持ちが反応しなくなってしまった経験が何度もあったから。
まずひとまわり、入り込み過ぎないように見る。そのあとで見なおしたい気持ちが強い写真からもう一度丹念に見る。限界が近づいたら潔く止める。
感情の崩壊を起こさないために学んだ写真展を見る方法だ。
予習はしていた。行けると決まってから毎日、時間を見つけては「THE AMERICANS」のページを開いて見なおした。良い写真集とバイブルとまで言われる写真集の差は、度々見返す、その頻度に堪える抱えるものの厚みだ。飽きた、と思ったあとから、やっと本質が見えてくる。

実際に一枚一枚の写真を見た話は、ここにどう書いていいのか分からない。誰にでも伝わる情報なら、画面サイズが330X220くらいが多く、それは大四切りで焼いている自分のサイズとほとんど同じで、この大きさでいい、これで続けたいと思ったこと。アンダーパーフォレーションエフェクトの出た写真が何点もあり、トリミング&水平出しでアメリカンズに収められていること。逆光や光量不足の場面では写真のコントラストが下がることを気にしていないプリントで仕上げていること。検証作業で後年の撮影と思われる写真でも遡った撮影年で通してる作品が何点かあること。昨日焼いたような劣化の無いプリントばかりだったこと。それから、それから。

ひとつ、ずっと思っていて、今回もあらためて間違いないと思ったことだけ書いておこう。アメリカに流れ着いたヨーロッパ人でありユダヤ人のフランクが、アメリカのどこに行き、誰に会おうとも拭い去れなかった居心地の悪さ、よそ者としての自覚、周囲に抱く違和感、それがシャッターを押させている。
彼が告発したといわれるアメリカの暗部、出来上がった写真集の歴史的、政治的、社会的な意味というようなものは、後付けの副産物に過ぎない。そこに存在意義を見いだすのは評論家の仕事、写真家であればシャッターを押させたフランクの気持ちにだけ寄り添えばいい。

同行のN氏が言った。
「被写体を獲物のように自分のものにしていったブレッソンとは全然違いますね」
そう、どこまでいっても、そこに写っているものはフランクが見ることになった現実という対象であって、写真にするための獲物ではなかったんだ。

これからも5年10年という周期で、どこかでロバート・フランク展は繰り返されるだろう。でももうボクはいいんだ。今日この展示で最後にする。安らかに。

Nさん、ありがとうございました。

FILM CAMERA STYLE vol.5

フイルムカメラスタイルの5号が発売になりました。表2見開きのフォクトレンダーの広告に写真を使っていただき、編集ページでも撮らせて頂いています。撮影に使用したレンズはNOKTON Vintage Line 75mm F1.5 Aspherical VM とNOKTON clsssic 35mm F1.4 Ⅱ です。ぜひ、手にとって御覧ください。よろしくお願いします。

NOKTON classic 35mm F1.4 II 発表

人気のレンズが、デジタルの特性に細かく対応して、引き続き販売されることになりました。軽量コンパクトな姿は変わらず、ますますお薦めのレンズになりました。

GRⅢ

GRⅢの試作機をお借りして撮影しました。こんなふうに写るんだ、と思われることがよくあるのですが、こんなふうに「も」写る、ということであくまでも例であり答ではありません。ファームウェアアップデートのお忙しい時期に機材を貸し出していただいたRICOHさんに感謝します。

CP+ 2019

コシナさんのカタログです。珍しい公式ステッカーと一緒に。

La mia terra promessa

家族だった愛犬ジーノの灰を、パレルモ湾の砂浜から海に撒きました。目の前に見えたいくつかの骨も、数回波が寄せて引くと、どこにあるのかわからなくなりました。今頃は元気だった頃のように跳ねながら走り回っていることでしょう。もうこれでシチリアは、旅先のひとつから約束の地になりました。また帰ってくるときには、暖かく迎えてくれると思います。

ミラノで深瀬昌久展を見る

ミラノやローマといった大都市はもちろんのこと、イタリアの地方都市でも有名作家の写真展に出会うことは多かった。しかし今回のような日本人作家は初めて。それも荒木、森山ではない深瀬さんの展示というところに不思議な縁を感じてしまう。会場にも展示されていたカメラ毎日を子供の頃に見た、その記憶が消えることなく残っていたからだと思う。
じつのところ東京で写真展を見る場合、その時々の日常から生まれた感情ににどうしても引っ張られてしまう。他人の写真を見たい気分ではないとき、無理に見ても全く気持ちが入って行かないから、話題の展示を見てないとか、知人の個展に行ってないとか不義理は数えきれないけれど、そういうものだし、それでいいとも思っている。前回六本木で深瀬さんの展示を見たときは、こちらの気持ちが十分ではなかった。
今回たまたまイタリア撮影の日程と重なる日があったので、朝一番に会場に駆けつけた。イタリアではよくあることだけど当然のように貸切状態で、こちらも日常から離れた写真脳になっているから、どんどんぐんぐん感情が入ってくる。「ああ、ミラノでブクブク見られるなんて・・・」それだけでもウルウル来てしまった。(繰り返しの繰り返し、失礼。)
展示のディレクションはもちろんトモ・コスガさん。イタリアでも規模が大きい、そして有名作家になればなるほど、その展示は壁面に等間隔、というパターンが多い気がするけれど、トモさんは作品の大小、壁面のレイアウト共に上手いなぁ、と思う。
日程の初日に深瀬さんを見たことで暖機運転は十分。
「あとは撮るだけ」はいつもの決まり文句。

ちなみにミラノでは「洋子」も見られますが、そのことが突出した魅力ということではなく、深瀬昌久という写真に魅入られた一人の人間の、写真との格闘の一場面、という感じでした。

撮影自由だったので、いくつか撮らせてもらいましたが、今朝から髪の毛の寝癖が取れないまま見ていると、全く同じ寝癖?の深瀬さんがいたので上の写真を撮りました。笑

RICOH GRⅢの内覧会に。

来春発売予定の新しいGR。その内覧会に行ってきました。電源offからの立ち上がりをまずチェック、レンズの繰り出し速度、液晶の点灯どちらも驚く速さ。焦点距離を固定するスナップモードが速いのは当然としても、普通のAFモードでも十分に速い。「構えた時には撮れる」カメラでした。これからファームウェア等ソフトを追い込んでいくらしいので、発売時にはより洗練されていることでしょう。全体の大きさも小さかった頃に戻り、その大きさの中に手ぶれ補正も押し込んだということですから、コンパクトカメラとしては最強かと思われます。なによりGRに好感が持てるのは、「撮ってる人が開発してる」感じが伝わってくるところなのかなと思っています。
同じ会場でGRで撮影した写真をTシャツにプリントした写真展が開かれています。27人の写真家による展示と共にTシャツの販売もしています。私の写真はイタリア、リボルノの風景です。Tシャツのサイズも豊富に準備されているようなので是非。リコーイメージングスクエア新宿で、17日までです。

11/30(Fri.)・12/1(Sat.)・12/2(Sun.)

今週末参加することになりましたイベント、photocampです。
天気も良さそうなので、ぜひ皆様お出かけください。
東品川2-1-3   天王洲キャナルイースト、寺田倉庫BC号棟1F
入口を入って3つ目「KANO MITSURU & MOTIONS」のブースでお待ちしています。

エディション外、規格外のプリントも持ち込む予定です。お楽しみに。

PHOTO CAMP 2018

PHOTO CAMP 2018 に参加します。

PHOTO MARKET のブースでオリジナルプリント、ポスター、パネル、FIAT写真集等の販売を予定しています。ぜひお越しください。

会場
〒140-0002 東京都品川区東品川2丁目1-3
天王洲キャナルイースト
Warehouse TERRADA B&C HALL(寺田倉庫BC号棟)

会期
2018/11/30(金)17:00~21:00
2018/12/1(土)11:00~20:00
2018/12/2(日)11:00~18~00

#PHOTOCAMP2018

「尾道の時計」

国内で撮影した写真のプリントをお買い上げいただいたので、久しぶりに「尾道の時計」を焼きました。イタリアの写真ばかり焼いていたので自分でも新鮮です。

見る

『私は絵の鑑賞法についてはまったくの素人である。人に教えられたこともないし、とくに専門書で学んだこともない。ひとりで勝手に好きだ、きらいだときめ、森の気ままな散歩者のように美術館に入っていき、眺めていき、通過していくだけである。その好き、きらいも、たいてい、最初の一瞥できめてしまう。最初の一瞥で眼をうたれなかったらどんな“名作”のまえに三時間佇んで凝視をしても徒労である。わかった顔をして無理な議論をするのはしんどい。ときには議論をしていてハッと愕かされるような意見に出会うことがあるが、そこでもとの画を見なおしても、あまりピンとこない。愕くのはその人とその意見についてなのであって、それは貴重な知覚であるから大事にしたいが、だといって最初の一瞥で得たもの、得なかったものがその意見によって変貌を起すということがない。』

「見る」 開高健 より

大好きな開高健は、小説家、エッセイストという肩書だから言葉の人と言っていいでしょう。その言葉を何故魅力あるものとして私が受けとめられるかといえば、言葉を綴る前に五感の刺激に敏感であり、そのことに正直であるからです。引用した文章の「絵」は「写真」と置き換えられます。そして後半の文章は、逆説的に今どきの写真周辺に巣くう言葉の人々の存在を浮かび上がらせます。つまり、自己の思考と論説の下に視神経の刺激を押し込めた人の文章には魅力がないのです。上の文章を見つけたとき、さすが開高さん!と微笑んでしまいました。ただこの「一瞥できめてしまう」ときに、その人の人生が現れ出るわけで、軽薄な一瞥を肯定するものではありません。

新宿御苑

 

 

 

 

大学一年生の課題。直前に見たウィン・バロックの影響をもろに受けているのはご愛敬としても、フジブロ2号印画紙の銀を厚盛りしたような仕上がりは、今見ても魅力がありますね。周りの台紙は酸化して元のグレーからピンクっぽく変色しているけれど、水道水で洗っただけのプリントはまったく劣化していません。今でもプリントに迷うと引っぱり出してくる原点のプリントです。Nikon F2.Nikkor28mm