ミラノで深瀬昌久展を見る

ミラノやローマといった大都市はもちろんのこと、イタリアの地方都市でも有名作家の写真展に出会うことは多かった。しかし今回のような日本人作家は初めて。それも荒木、森山ではない深瀬さんの展示というところに不思議な縁を感じてしまう。会場にも展示されていたカメラ毎日を子供の頃に見た、その記憶が消えることなく残っていたからだと思う。
じつのところ東京で写真展を見る場合、その時々の日常から生まれた感情ににどうしても引っ張られてしまう。他人の写真を見たい気分ではないとき、無理に見ても全く気持ちが入って行かないから、話題の展示を見てないとか、知人の個展に行ってないとか不義理は数えきれないけれど、そういうものだし、それでいいとも思っている。前回六本木で深瀬さんの展示を見たときは、こちらの気持ちが十分ではなかった。
今回たまたまイタリア撮影の日程と重なる日があったので、朝一番に会場に駆けつけた。イタリアではよくあることだけど当然のように貸切状態で、こちらも日常から離れた写真脳になっているから、どんどんぐんぐん感情が入ってくる。「ああ、ミラノでブクブク見られるなんて・・・」それだけでもウルウル来てしまった。(繰り返しの繰り返し、失礼。)
展示のディレクションはもちろんトモ・コスガさん。イタリアでも規模が大きい、そして有名作家になればなるほど、その展示は壁面に等間隔、というパターンが多い気がするけれど、トモさんは作品の大小、壁面のレイアウト共に上手いなぁ、と思う。
日程の初日に深瀬さんを見たことで暖機運転は十分。
「あとは撮るだけ」はいつもの決まり文句。

ちなみにミラノでは「洋子」も見られますが、そのことが突出した魅力ということではなく、深瀬昌久という写真に魅入られた一人の人間の、写真との格闘の一場面、という感じでした。

撮影自由だったので、いくつか撮らせてもらいましたが、今朝から髪の毛の寝癖が取れないまま見ていると、全く同じ寝癖?の深瀬さんがいたので上の写真を撮りました。笑